
2021年 8月 19日、Kindle限定で『勇!! なるかな』をリリースしました。価格は、250円です。
あらすじ
母を病で失った高校生、樺島勇は、母の思い出をたどるうちに、かつて漫画家をめざしたことがあることを知る。その遺志を継いで勇も漫画を描き始めるが、圧倒的な技術不足に苦戦する。そこに死んだはずの母や、その師、アシスタント仲間たちが現れ、漫画の世界が具現化していく。世界がはちゃめちゃになるなかで、勇ははじめての漫画を描きあげる。
内容
ページ数は単行本換算でおおよそ290ページほどになります(読み終えるのにおよそ4時間半ほどかかります)。ジャンルは現代社会を舞台にしたファンタジーになります。舞台が久留米を中心とする筑後地方であるため、セリフの多くが筑後弁で書かれています。このため、他地方の方には少し読みづらさを感じられ、現地の方には不自然さが感じられる部分があるかと思います。
想定する読者層
主人公は高校生ですので、その年代の読者を想定しています。また、作中ではその母が影響を受けた作品が挙げられ、その母と同年代の漫画家たちも活躍しますので、その世代まで含めた幅広い層に楽しんでいただけると思います。そして何よりもこの作品を読んでもらいたいのは、いま現在漫画家を目指される方、クリエイティブな職業を目指される方です。また、すでに漫画家として、あるいは脚本家やイラストレーターとしてデビューされている方には、体験を共有できる部分があるかと思います。
みどころ
作風は、冒頭は静かな写実主義的な表現で始まりますが、やがて主人公がさまざまな漫画家に出会うと、そのひとたちの漫画が実体化しだすというファンタジックな作品に変容して行きます。このため、序盤、中盤、終盤と、雰囲気はがらりと変わり、冒頭の雰囲気が好きだからと読み進めていると、終盤では裏切られたと感じるかもしれません。作中ではさまざまな漫画が実体化しますので、それにあわせていろんな作風が展開される作品だと思って手にとっていただけたらと思います。ただそれでも、基本的には冒頭の雰囲気が作品全体の基調を作っていますので、そこから大きく外れることもないと思います。
その他の情報
内容にはエロシーンは一切登場しないので、未成年の方でも安心して手にとっていただけますが、グロシーンはどぎついものが出てきます。ただし、劇中劇の中での話であって、主人公やその周辺の人物がひどい目に合うことはありません。また、グロい場面が登場する章の冒頭にはその旨をしめす案内を置き、次の章の冒頭にダイジェストを用意していますので、最悪の場合その章を飛ばして読んでも問題がないようになっています。
最後になりましたが、この作品は筆者の自伝的な性格を帯びています。このため、登場人物の一部は、もしかしてあのひとではないかと推測できる部分があるかもしれませんが、基本的にはキャラクター構成はフィクションであり、実在の人物・エピソードには準拠しません。