『浮遊大陸でもういちど』リリースしました。

 2021年 7月 23日、Kindle限定で『浮遊大陸でもういちど』をリリースしました。価格は 340円 250円です。生まれてはじめて自分で買ったコミックスの値段に設定しました。

あらすじ

 4年ほどむかし、恋人を自死で失ったジャーナリストの照井健は、南太平洋上に突如として現れた浮遊大陸に単身乗り込みます。健はその地で、異星文明ハイアノールと触れ、彼を保護した異星人の女性フレア・カレルと恋に落ちていきます。浮遊大陸の出現で地球は未曾有の危機にみまわれるなか、健とフレアのすれ違ってばかりの恋が進展していきます。

内容

 ページ数は単行本換算でおおよそ400ページほどになります(読み終えるのにおよそ6時間ほどかかります)。ジャンルはラブストーリー+冒険劇となり、SF要素はありますが、ハードSFではありません。文体はやや詩情を押し出した一人称で、主人公の照井健視点とヒロインのフレア・カレル視点とを、交互に切り替えながら見せています。想定する読者層は高校生以上の男女、特定の年齢層でないと理解できないような話題は盛り込んでいません。体裁はSFであり、ラブストーリーを軸としていますが、それらが苦手な人でも手に取れる内容だと思います。

 さて、主人公が浮遊大陸で『もういちど何をするか』ですが、前述の通り恋をやりなおすことになります。また、異星から地球へと大陸を移動させるほどの文明に乗り込むので、それなりに危険も伴いますし、ピンチにも陥ります。ラブストーリーがかなりのウエイトを占めますが、宇宙科学、あるいは生命科学などの分野の、少々固い話題も出てきます。もちろんエンターテインメントですので、科学の知識がなければ読めないということはなく、逆に、この物語から得た科学知識が世の中で役に立つということもありません。なかばファンタジーのようなもの、科学をベースとした与太話として読むことができると思います。

詳細

 内容に極めて残酷というほどの描写はありませんが、命がけで戦い、ときに命を落としかけることもあり、それなりの怪我を負う描写はあります。浮遊大陸に乗り込んだ海兵隊や、敵対する相手が殺される場面があります。このほかにも残酷な描写としては、恋人の自殺場面の回想などがあります。性的な描写も極端なものはありませんが、主人公とヒロインとは大人の関係になっていきますので、こちらもそれなりの描写があります。ただし、逆にエロやヴァイオレンスを期待して読んでしまうと、それだけで満足が得られるような描写はありません。また、麻薬・犯罪行為を助長・正当化するものはありませんが、地球とは文化の異なる浮遊大陸にて、一部の種族が奴隷的に扱われている部分があります。これらの社会悪に対しては批判的文脈で扱っています。

見どころ

 見どころは地球人照井健と、異星人であるヒロインの意識の違い、そこからお互いに何かを得て、変化していく過程です。ヒロインの考え方には、やや理解し難い点があると思われますが、とくにその部分を思想的に押し付けるものでもありませんので、主人公側の視点から自由な感想を持っていただけたらと思います。

 非常に危機的な状況から物語は始まりますが、基本的にラストには解決しますので、読後感は悪くないと思います。混乱しながら推敲を重ねた拙い文章ですが、最後までお付き合いいただけたらと思います。

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